クイーンのオペラ座の夜(A Night at the Opera)全曲ガチ解説!おすすめは?レコード/CD/Youtubeも

 

クイーンの代表作とも言えるアルバム「オペラ座の夜（原題A Night At The Opera）」。

1975年にリリースされ、イギリスでチャード1位を獲得しました。クイーンのアルバムで、初めての1位となったアルバムです‼︎

「ロック」というジャンルの垣根を超えた、オペラチックな曲、カントリー調の曲、ポップな曲が入り混じった不思議なアルバムにも関わらず、多くの人に愛されました。

中でもシングル「ボヘミアンラプソディ」はイギリスチャートで9週連続で1位を獲得するという大快挙‼︎Σd(≧ω≦*) このアルバムはレコードとCDでも発売されています。

今回はそんなアルバムの魅力をたっぷりとお伝えしたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

オペラ座の夜（A Night At The Opera）収録曲

1. デス・オン・トゥ・レッグス（Death On Two Legs）

2. うつろな日曜日（Lazing On A Sunday Afternoon）

3. アイム・イン・ラヴ・イン・マイ・カー（I’m In Love With My Car）

4. マイ・ベスト・フレンド（You’re My Best Friend）

5. ’39（’39）

6. スウィート・レディー（Sweet Lady）

7. シーサイド・ランデヴー（Seaside Rendezvous）

8. 預言者の唄（The Prophet’s Song）

9. ラヴ・オブ・マイ・ライフ（Love Of My Life）

10. グッド・カンパニー（Good Company）

11. ボヘミアンラプソディ（Bohemian Rhapsody）

12. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン（God Save The Queen）

オペラ座の夜（A Night At The Opera）全曲解説＆Youtube

1. デス・オン・トゥ・レッグス（Death On Two Legs）

これは、当時のクイーンのマネージャーがとても性格の悪い奴だった時に書かれたものです。（ジム・ビーチではありません）呪詛のように恨みの言葉が綴られています。

「Kill joy, Bad guy, Big talking, Small fly（喜びを殺す悪漢、大声でやかましい、ちっぽけなハエめ）」と、これの他にも多数の悪口が書かれています。本当に腹が立っていたんでしょうね(;´Д`A

ピアノの音も非常に不安を誘うもので、フレディのピアノの腕が光ります。ブライアンのギターの不思議な音色も合わさって、くらくらしちゃいます。（´ω｀*）

流石に歌詞があからさまだったので、怒られてしまったそうです。訴訟問題になる直前だったんだとか……。でも4人には掃除屋くらいの賃金しか渡さず、自分はベンツに乗ってたらそりゃ恨まれるでしょうよ。

2. うつろな日曜日（Lazing On A Sunday Afternoon）

「うつろな日曜日」と言う邦題ですが、どちらかといえば、この曲は「日曜日だなぁ〜のんびりしたいなぁ〜」という感じの曲です。

実はクイーンの曲の中で一番短い曲です。下にある「預言者の唄」はクイーンの中で一番長い曲で、１つのアルバムの中に最短と最長があると言う珍しいアルバムです。

最後のブライアンのギターを聞いていただきたいです。これ、シンセ（シンセサイザー：キーボードの上位互換）じゃないんですよ?ギターの音を弄ってこんな音に仕上げているんです!ブライアンのギターの音色は七色では済みませんよ‼︎ああ、語りつくせません。

3. アイム・イン・ラヴ・イン・マイ・カー（I’m In Love With My Car）

映画「ボヘミアンラプソディ」でもいじられていた曲ですが、聞いてみればわかる通り、名曲です。ロジャーのヘヴィでロックな歌声に酔いしれちゃってくださいな。とってもセクシーで、「きゃー‼︎ロジャー‼︎」と叫びたくなること間違いなし!

これは実はほとんどの楽器をロジャーが演奏しています。ロジャーって、多彩なんですよ?ドラムだけじゃなくて、ギターもベースも弾けます。ヴォーカルももちろん。完璧人間すぎてつらい……。

4. マイ・ベスト・フレンド（You’re My Best Friend）

ジョン・ディーコンが奥さんに向けて作曲した曲です。これはキーボードを使っています。フレディは「グランドピアノじゃないと嫌だ」 と言ったので、ジョンは仕方なくキーボードを練習して演奏したそうな。

ポップ調ですが、一回聞いたら頭から離れなくなりますよ!

ジョンディーコンは1アルバムに1曲か2曲しか曲を書かないのですが、どれもこれも名曲ばかりと言うヒットメーカーです。これもその１つです。

ちなみに、この時期結婚していたのはジョンだけです。しかもデキ婚!わーお!

5. ’39（’39）

ブライアン・メイ作曲で、ヴォーカルのカントリー曲です。もう、のっけから泣かしにきてます……。

優しいアコースティックギターにブライアンの温かい歌声。このフュージョンほど人の心を揺さぶるものはなかなかないでしょう。

歌詞の内容は悲恋です。宇宙船に乗って遠くの星へ行った主人公は、宇宙の「浦島効果」により地球よりも時間が長くなってしまっており、帰ってきたら恋人は既に亡くなっていました。

多くの人々に帰還を祝福されるも、恋人がいないのに自分は生きていると言う事実に打ちひしがれます。恋人の子供に恋人の面影を見出し、いなくなってしまった恋人に思いを馳せます。

ロジャーの高音のコーラスが素晴らしい!重厚でありかつ、寂しさを感じさせるこのコーラスはこの曲でしか聞けません。

6. スウィート・レディー（Sweet Lady）

このアルバムの数少ないロック曲です。作曲はもちろん、ブライアンメイ 。映画ではロジャーに歌詞が弱いと指摘されていましたね〜かわいそうに。

単純なリフ(何度も繰り返される旋律のこと)にも関わらず、力強さを感じます。しかし、力強すぎず、このアルバムに適したロック感を醸し出しています。フレディ・マーキュリーのヴォーカルがうまいことマイルドに仕上げていると言えるでしょう。

最後の方は、盛り上がりを見せるロジャーのドラムが光ります。同じギターなのに、ドラムが違うとここまでイメージが変わるんですね‼︎

7. シーサイド・ランデヴー（Seaside Rendezvous）

またもや「ロックアルバム」 にふさわしくない不思議な曲が入ってきます。

しかし、聞いていると引き込まれていってしまいます。要所要所に入ってくるクイーン特有のコーラス……たまらないですね〜!リズム感も謎の魅力が詰まっていて、思わずポーズを取ってしまいたくなる感じがします。

変な音がいろいろ入っていますが、これもシンセではありません。全て彼らが色々と試して出した生音です。

8. 預言者の唄（The Prophet’s Song）

クイーンの楽曲中最長のものです。ボヘミアンラプソディばりの超展開があるのですが、ボヘミアンラプソディが同じアルバムに入っているがためにかすみがちです。

この曲の魅力といえばやはり中盤のフレディマーキュリーのソロパート‼︎エフェクターのディレイ（音を遅らせる効果）を使って、フレディの声が何重にも聞こえるようになっています。フレディ1人で美しいハーモニーが作り出されていて幻想的です。

そのあとのみんなのコーラスのディレイも素晴らしい‼︎かなり実験的ではありましたが、大成功と言えますね。クイーンだからこそできた技ですね!

コーラスあとのハードロックパートもたまりませんな!エアギターで応戦しましょう!

9. ラヴ・オブ・マイ・ライフ（Love Of My Life）

知る人ぞ知る……映画の中では悲しいシーンでも使われた曲ですね。ハープの音とピアノの音が綺麗に重なり、うっとりするほど美しいです。

ライブでは必ず演奏される曲の１つです。その時には歌詞を観客に歌ってもらうのが通例となっています。

↑こちらはウェンブリーで行われた、フレディ・マーキュリーが参加したクイーンとしての最後のライブです。ブライアンが12弦ギターを弾き、フレディが歌います。観客からの歌声に耳を傾けているフレディの姿が見られます。

では、フレディがいなくなった今、この曲はどんな風に歌われているんでしょうか。こちらの動画をご覧ください。

ブライアンが歌っていますね。そして、2:34からを見てください。フレディがスクリーンから歌ってくれています。天国からフレディが観客を楽しませてくれているのです。

私はこの現場にいたのですが、涙が止まりませんでした。「フレディーーー！！あああーーー！！！」と叫ぶしかできなくて……。とにかくフレディに感謝したくてたまらない気持ちになりました。

10. グッド・カンパニー（Good Company）

ブライアンがウクレレバンジョーを弾きながら歌っている曲です。初めに入っている不思議な音色ももちろんブライアンのギターです。

単調な曲調ですが、なんだかクセになります。ブライアンの声は、自身でも「暖かい声」と称するほど柔らかい声をしています。この曲も’39と同様、優しい気持ちになりますね。ウクレレの音も相まって、よりふんわりとした曲調になっています。

最後の方に入るギターの音色はどうやったらこんなものができるのか……と感心してしまいます。そして、続くボヘミアンラプソディへつなぎます。

11. ボヘミアンラプソディ（Bohemian Rhapsody）

名曲中の名曲。イギリスでは「20世紀最も愛された曲」でジョン・レノンの「イマジン」を抑えて1位に輝きました。

 

バラードパートのフレディのピアノの旋律はどんな人々をも魅了します。少し聞けばすぐに「あっボヘミアンラプソディだ‼︎」と分かります。ちなみに、一番最初のコーラスの部分は全部フレディの声です。よーく聞いてみると分かりますよ。

フレディの歌声も強弱が絶妙で胸にズシンと響きます。流石のヴォーカルですね!

オペラパートは多くの人が驚きました。中には「初見では笑ってしまった」と言っている人もいます。それくらい、インパクトが強いんです。「ガリレオ〜」なんて、誰が思いつくでしょうか。

ほとんど意味の分からない言葉が綴られているにも関わらず、何か、心に来るものがあります。

しかし、何度聞き返してもこのコーラス、素晴らしすぎます。鳥肌が止まりません。真似なんてできないでしょうね。なんと言っても、再現するには200人必要だそうですから。200人ですよ!?200人をフレディ、ブライアン、ロジャーの3人で録ったんですよ!?すごすぎませんか!?

んでもって、ロックパート!この部分のリフはフレディが考えたそうです。なんでも、ギターを弾いている人では考えつかないようなリフなんだとか。ピアノで考えたリフなので、ギターで弾くと独特の魅力が出ていますね。

そして最後に戻ってくるバラードパート。「Nothing really matters…（何も問題じゃない）」「Anyway the wind blows…（なんにせよ風は吹く）」。この歌詞は伝説です。

最後の銅鑼の音までしっとりと胸にしみます。

12. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン（God Save The Queen）

これはイギリスの国歌です。これをクイーン流にアレンジしたものが、この曲になっています。まさに、クイーンにふさわしい曲名、曲調ですよね。イギリスから与えられた曲のように感じられます。

毎回、ライブの終わりにはこの曲を流して彼らは去っていきます。ファンとしては、寂しい気持ちにもなる曲です。

ちなみに、この曲が認められたのか、バッキンガム宮殿でもこの曲を演奏したことがあります。ブライアンとロジャーが演奏に参加しました。その時の映像がこちらです。

イギリスの代表として演奏する気持ちはどんなものだったのでしょうか。ブライアンの本によると、ものすごく緊張していたらしいです。そりゃそうですよね。国家規模の祭典で演奏するんですからね。

このように、このGod Save The Queenはクイーンの中でも非常に重要な曲の１つとなっています。

オペラ座の夜（A Night At The Opera）制作秘話

このアルバムは「リッジファーム」というリハーサルスタジオで作成されました。映画中ではボロいスタジオになっていましたが、本当は多くの大物アーティストが使う、非常に居心地のいいスタジオです。プールやテニスコートまでついています。

曲作りの最中にプールで遊んだり、テニスをしたりしていたようです。ちなみに、テニスの腕は、ロジャーとフレディは上手、ジョンは思ったよりもできる、ブライアンは空振りしかしない、といった様子でした。

映画でも描かれていましたが、アルバムにどの曲を入れるかでもめることも多かったようです。特に、ボヘミアンラプソディのカップリング曲を選ぶ時にはものすごい喧嘩が起き、ロジャーは「俺のラヴ・イン・マイ・カーを入れろ!」と食器棚に立てこもりました。

そんな中でも日本の取材班が来た時には歓迎し、フレディは率先して写真撮影をさせてくれたそうです。オフの時でもエンターテイナーの心を忘れないフレディには脱帽です。

オペラ座の夜（A Night At The Opera）まとめ

オペラ座の夜は、クイーンの中でもかなり完成度の高いアルバムの１つです。ファンの中では、「好きなアルバムは何?」と聞くと、大抵「QueenⅡ」か「オペラ座の夜」と答えるくらいです。ちなみにロジャーの好きなアルバムも「オペラ座の夜」です。

ロックアーティストとしてリリースしたこのアルバムですが、様々な曲調が寄せ集まった集大成のようなアルバムとなっています。しかし、ごった煮のようにごちゃごちゃしているわけではなく、１つのアルバムとして、綺麗にまとまっているのがすごいです。

このアルバムはヒット曲だけを聞くだけでは本当の威力を発揮しません!みなさん、必ず、全ての曲を通して聞いてください‼︎クイーンが公式で全楽曲をyoutubeで上げているので、全部聞けます‼︎

このアルバムを聞けば、クイーンの魅力に引きずり込まれること間違いなしです!　今どきレコードプレイヤーを持っているひとはほとんどいないでしょうが、レコード盤もあります。レコードプレーヤーを持っている人や、コアなファンならばレコード盤も買うのもありでしょう。

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