エルトン・ジョンの半生を語る上で欠かすことのできない人物のひとりに、ジョン・リード(レイド)がいます。(↑左)
映画の中でも、作詞作曲をする上でなくてはならないパートナーであるバーナー・トーピンとともに、
エルトン・ジョンのミュージシャン活動、さらには人生そのものを色々な意味でゆさぶった人物。
それがジョン・リード(レイド)です。
映画『ロケットマン』が作られる前に
・イギリス
・1970~1980年代に大ヒット(全盛期)
・ゲイ
と似たカテゴリーをもつミュージシャンを扱って大ヒットした映画といえば、『ボヘミアンラプソディ』ですよね!
実はジョンリード、エルトンジョンだけでなく、
フレディマーキュリーとも関係があり、『ボヘミアンラプソディ』にも登場しています。
とすればジョン・リードのことを知らずに映画を観るのはもったいないですよね!!
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ジョン・リード(レイド)って誰?エルトンジョンと恋人だった?さらにはビジネスにも関係していた?
エルトン・ジョンは知っていても、ジョン・リード(レイド)という名前をきいたことがないというあなた!
多くの映画が悪役を必要とするように、『ロケットマン』の中ではジョンリード(レイド)は血も涙もない超悪役です。
映画の中では冷血で金の亡者となる悪徳(元)マネージャーとして描かれていますが、実際の関係はどうだったのでしょうか?
ジョン・リードはエルトンジョンに出会う数年前から音楽界と関わり始めています。
スコットランドで溶接工の息子として生まれ育ち、1969年に音楽業界に入ることを夢見てロンドンに移り、
なんと19歳で自分で会社を立ち上げます。
かなりのやり手であることがわかりますね!
映画『ロケットマン』の中では、
リードはロサンジェルスのアフターパーティで出会ったことになっています。
これは映画の中でリードに夢中になるエルトンジョン。乙女な表情がいいですね。
出典:https://www.news.com.au/entertainment/movies/new-movies/rocketman-the-real-relationship-between-elton-john-and-john-reid/news-story/7753f118e4a94be92501c4e7b0f4042e
実際は、Motownのクリスマスパーティーで出会った二人。
このとき、リードはまだ21歳、ジョンは23歳でした。
1998年のインタビューで、
リードはなんとエルトンジョンの第一印象をこう語っています。
たしかにエルトンジョンの特徴をよくとらえていますが…
ひどい…(涙)。
「初めて会ったときは、実は彼の才能には気づかなかったんだ。
なんか、へんな服を着たちんちくりんの男だなあって思った。」「ちゃんと彼を発掘できたとはとても言えない。
むしろはじめ彼(エルトン)のマネージメントをやってくれと
言われたときは、気が進まなかったくらいだ。」
出典:https://ultimateclassicrock.com/elton-john-manager-john-reid-jerk/
しかし実際に仕事を一緒にしていくにつれて急速に二人の距離は縮まり、エルトンの「不器用な魅力」を感じたリードは
「初彼」として5年間彼との同棲生活を送ります。
そうです、リードもゲイだったんです。
その間リードはマネージャとして
”Your Song” “Daniel,”Chrocodile Rock”,
“Candle in the Wind”などを始めとした多くの名曲を世に送り出す手助けをすることになりました。
のちにリードはこう告白しています。
「彼はとても僕を愛していたし、私も彼を愛していた」
出典:https://ultimateclassicrock.com/
映画では金目的で近づく冷酷な人物として描かれていますが、
本当に愛し合っていたんですね!!
“Candle in the Wind”ではグラミー賞を受賞しています。
私はダイアナ妃の葬儀でこの曲を弾き語りしているところを
リアルタイムできいていたく感動したのを覚えています。
しかし成功を手にしていくエルトンジョンとの
同棲生活は波乱に満ちていました。
ジョンの不安定な精神状態を表す
「ジェットコースターのような生活」のエピソードを
リードはこんな風に言っています。
「日常的にアップダウンがすごくてものすごく疲れた。」
「茶色に染めた髪で出かけたと思うと
ピンクの髪で帰って来ることもあった。」
出典:https://ultimateclassicrock.com/
あの派手なかっこうも、日替わりの髪型も、不安定な精神の現れ。
ミュージシャンとしての成功を手にしていくと同時に、
エルトンジョンの私生活はドラッグアルコール、買い物依存で荒れていきました。
ビジネスパートナーとしてエルトンジョンを支え続けたジョンリード
リードのビジネス上のマネージャーは1998年まで続きました。
実に28年。
その間にエルトンジョンのミュージシャンとしてのキャリアはトップに上り詰めました。
しかしそれと同時にジョンの私生活は、ドラッグやアルコールにまみれていきました。
レネーテ・ブリューエルとの結婚、離婚、
作詞家のバーニー・トーピンとの関係の構築と継続、そして裁判。
恋が始まって終わることを繰り返し、落ちこんでいったのです。
(ドイツ人レコーディングエンジニアだったレネーテ・ブリューエル↓)
Pop History 101: #eltonjohn married sound engineer #renateblauel in Sydney, Australia, today back in #1984. pic.twitter.com/k6pPnXWir6
— BlackbirdMediaGroup (@BMG_Radio) February 14, 2018
その28年の間、ジョンのレコードの売り上げと
ツアー成功で2人はリッチな生活を送っていました。
スポーツカーにヨット、ジュエリー、その他の資産・・・
一時リードは何軒も家を所有していたと言われています。
リードは1975年から3年間、
クイーンのマネージャーを務めたほか、
ブロス、キキディー、リオネル・リッチー、ビリーコネリー、
ミシェル・フラットリーといったミュージシャンの
マネージャーもこなしていたんですから、
それはリッチになって当然ですね。
ちなみにリードは74年、ナイトクラブでジャーナリストを殴り倒したとして、
ニュージーランドの刑務所に1か月の服役を言い渡されています。
また79年にもサンフランシスコでドアマンを口論の末杖で殴ったとして逮捕されています!
出典:https://ultimateclassicrock.com/elton-john-manager-john-reid-jerk/
有名人のマネージャーには色々言ってくる人もいて、
その上でエルトンジョンの私生活も支え…
きっと大変だったんでしょうね・・・。
ジョン・リードの私生活も荒れていった
エルトンジョンがドラッグやアルコールに溺れていた時期があったことは前述の通りですが、
リードもまたドラッグやアルコールの依存症に苦しんだ時期がありました。
1990年に依存症のクリニックから出たジョンと入れ替わりに入ったリード。
立ち直っていくジョンとは裏腹に、リードは何度も依存を繰り返していきました。
ジョン・リードの横領事件が発覚!そして解雇
恋人関係が終わっても長きにわたってマネージャーをつとめたリードですが、最悪の形でその終わりを迎えます。
なんと、ジョンの会計士の手紙から、
リードが2,000万ポンドもの横領をしていることが発覚。
2年後、一時は恋人同士でもあった2人は法廷で対峙することになります。
とても、とてもショックを受けたジョン…。
元カレで、長きに渡ってビジネスパートナーだった人にこんな仕打ちに合うなんて…。
「信じていたのに」裁判でジョンは言いったそうです。
「彼が僕を裏切るなんて一度も思ったことがなかった。でも裏切ったんだ。」
出典:https://ultimateclassicrock.com/
最終的にはリードがジョンに340万ポンド(4億4千万)を支払うことで和解していますが、
ジョンの心に深い傷を残したことは言うまでもないでしょう。
まとめ
◎ジョン・リード(レイド)はゲイで
エルトン・ジョンの元マネージャーで「初彼」だった!
◎映画では冷血な悪役だが、彼らの愛は本物だった!
◎同棲生活や恋人関係が終わっても、
ジョンが結婚・離婚しても合計28年間もマネージャーをつとめた!
◎ジョン・リード(レイド)は自身も
アルコールやドラッグ依存に苦しみ、傷害事件も起こしていた!
◎最終的にエルトンジョンに横領事件で訴えられて
犯罪者となってしまった!
ジョンリード(レイド)は、クイーンやエルトン・ジョンのマネージャーであり
私生活でも関わるという華やかな世界でじゃんじゃん稼ぐ一方、
ドラッグ依存に苦しみ、犯罪を犯すなど、
自分も心の闇の世界で苦しんでいた様子が伺える人物でした。
登場人物のリアルな伏線を知ると、ますます映画が観たくなりますよね!
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